住宅や店舗などで
木造で建てることのメリットとデメリット

戦後７０年を超えて、日本の森林の木は構造物に使用できるほど育ってきました。
日本の国土の７０パーセント以上は森林だといわれており、森林資源は非常に豊富です。
しかし、森林からい木を伐りだすための環境でい日は世界的にも遅れている現状があります。
現在、国では森林の有効活用を推進するために国産材の利用を呼び掛けていることから、学校や店舗、老健施設などの中大規模の建造物で木を用いる建築が行われるようになってきました。

木造でどこまでの規模の建物が建てられるのか？

海外などでは１２階建てなどのマンションが実際に木造で建築されている事例があります。
日本でも３階建て以上の木造建築はありますが、その主なものが鉄骨やコンクリートなどとの混合物件になっています。

２０１５年の建築基準法改正で、３階建ての学校を耐火建築物から準耐火建築物に改正するための大規模が実験が行われなした。世界的にも最大規模の火災実験です。

新建ハウジングＷＥＢから

それまでの火災実験は小規模な住宅などを想定して行われていたので、大空間で火災が起きた場合、どのように火が燃え広がるのかわかっていなかったので、国は３回にわたって実験を行ったんですね。

学校は鉄骨やコンクリートで作ったとしても内装制限がないので、もともと天井や壁、床には木質部材が使われてきました。火災は、この木質部材を伝って燃え広がることが分かりました。特に天井に木質部材を使うと燃え広がりが大きかったという結果が出たため、２回目以降の実験では上に向かって火が燃え上がらないような工夫をして２回目、３回目は火災をコントロールできたようです。

そこで、２０１５年６月建築基準法で３０００平米以上となる学校などの建物も準耐火とする法改正を行ったので、それから日本全国各地で、こうした中大規模の木造建造物が建てられるようになりました。

福井県の近所では石川県で車のディーラーさんで木造で建築した例があります。

また、東京オリンピックのメイン会場の隈さんの建築物には一般流通材を使用した建物がたくさんありますが、福井では「開花亭」が隈さん設計によるもので、外観が木質素材でできています。

中大規模木造建築物の税金上のメリットとデメリット

１０００平米以上になると（だいたい３００坪くらい）鉄骨構造物が多いようですが、建築基準法の改正や国の木材利用推進法などの環境ができてからは、木造で設計されることも多くなってきました。

店舗などの場合、建物は減価償却をしていきますので木造で建てることによるメリットがあります。

減価償却は建屋の耐用年数によって決められています。
鉄筋コンクリート　　４７年
重量鉄骨　　　　　　３４年
木造　　　　　　　　２２年
この法定耐用年数に償却率を乗じたものが年間の償却費となります。
また、償却できる期間は法定耐用年数の期間です。
償却中は償却費は経費として計上されるため、厳しい部分もありますが儲けがあればその分経費として計上できるメリットがあります。

儲けが出ている短い間に償却して、その後利益を出したり、また、次の投資までの期間を短くできるというメリットがあります。

また、飲食店やアパレルなど、流行に左右されやすかったりする場合は短いスパンで建て替えも可能ですし、解体の時もCO2の排出量が鉄筋や重量鉄骨などの構造物よりも少ないので環境にも優しいです。

木造で大空間も可能に

木造で大空間を作るには、昔ながらの手法があります。
合掌と呼ばれる組み方や、平行弦トラス、大断面による構造です。
住宅とは違った技術が必要ですが、地元の工務店さんならではの木造の提案があります。

  福井は多雪地域です。

東京などの雪の降らないような地域とは違う、その地域ならではの構造があります。

実際に大手ハウスメーカーなどでは、多雪地域を販売地域にしていないところもあることから、その地域に根差した建築物を作るというのはむつかしいというのが分かると思います。

FILMでは、長年福井県内で木造を立て続けてきた実績のある工務店さんを紹介しています。
ご興味のあるかたはお問い合わせください。